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がん罹患率…塩分摂取多い東北・日本海側で胃がん、喫煙率高い北海道は肺がん多く

厚生労働省が17日付で初めて発表した「全国がん登録」の集計結果。2016年にがんと新たに診断された患者の実態から、がんにかかる割合(罹患(りかん)率)に地域差があることも明らかになった。

 住民の年齢構成を調整した人口10万人当たりの罹患率。都道府県別で最も高いのは長崎の454・9で、秋田446・3、香川436・7の順に多かった。最も低いのは沖縄の356・3で、愛知367・5、長野367・6と続いた。

 がんの種類ごとに都道府県別の罹患率も出ている。地域によって罹患率が異なる理由は明確でないが、生活習慣の影響も指摘される。胃がんは、食塩の摂取量が多い東北地方や日本海側で目立つ。肺がんは、北海道など喫煙率の高い地域に多い傾向がみられる。

 肝臓がんは西日本で高い傾向がある。肝炎ウイルスの感染者の多さと関連していると言われる。

 課題を対策につなげる動きも出ている。大腸がんで1位、胃がんで2位だった秋田県は「全国平均と比べ塩分摂取量が多く、喫煙率が高い。飲酒や運動不足なども含め、複合的に影響している可能性があり、生活習慣の改善などに力を入れたい」(健康づくり推進課)という。

 肺がんで2位の北海道は「禁煙外来のある医療機関を周知するなど、喫煙や受動喫煙の防止に努めたい」(地域保健課)とする。

 がん対策に詳しい国際医療福祉大の埴岡健一教授は「都道府県は、どのがんで罹患率が高いかを分析し、予防対策の強化につなげてほしい」と話す。