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平成27年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(厚生労働省)

~平成27年の死亡災害は建設業、警備業で多発~

 

 厚生労働省では、このほど、平成27年の「職場での熱中症による死傷災害の発生状況」を取りまとめました(別添資料)。また、これらを踏まえて、平成28年の職場における熱中症予防対策については、平成27年に死亡災害が多く発生している建設業と屋外で作業する警備業を重点業種とした取組を行っています。


●平成27年の職場における熱中症による死傷者の状況

 昨年(平成27年)の職場での熱中症*1による死傷者(死亡・休業4日以上)は464人と、平成26年よりも41人多く、うち死亡者は29人と、前年より17人増加しています。近年の熱中症による死傷者は、猛暑だった平成22年は最多の656人となり、その後も毎年400~500人台で高止まりの状態にあります。

業種別に死亡者をみると、建設業が最も多く11人、次いで警備業で7人発生しており、この2業種で全体の約6割を占めています。

平成27年に熱中症で死亡した29人の状況をみると、WBGT値*2(暑さ指数)の測定を行っていなかった(28人)、 計画的な熱への順化期間が設定されていなかった(26人)、自覚症状の有無にかかわらない定期的な水分・塩分の摂取を行っていなかった(17人)、健康診断を行っていなかった(13人) など、基本的な対策が取られていなかったことが分かります。


●平成28年の熱中症予防対策

 今年の夏は、特に西日本で気温が平年並みか平年より高くなることが見込まれ、熱中症による労働災害が多く発生することが懸念されます。

平成28年の職場における熱中症予防対策については、平成27年に死傷災害が多く発生している建設業と屋外で作業する警備業を重点業種として 実施し、留意すべき事項などについて示し、より的確な対策を行うよう、労働局・労働基準監督署を通じて指導などするとともに(別紙)、対策に当たってのポイントとなる事項をリーフレット(別添)にとりまとめ、周知啓発を行っています。


*1 熱中症とは

高温多湿な環境下において、体内の水分と塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称。

めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐(おうと)・倦怠(けんたい)感・虚脱感、意識障害・痙攣(けいれん)・手足の運動障害、高体温などの症状が現れる。

*2 WBGT値とは

気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数。

厚生労働省

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000125245.html